ヒプノセラピー

ヒプノ、ヒプノセラピーとは

ヒプノセラピーとは催眠療法のこと

「ヒプノセラピー」という言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。 ヒプノセラピーは英語で、その綴りは hypnotherapy と書きます。この単語の日本語訳は「催眠療法」です。 同時に、催眠療法の英訳は 「hypnotherapy 」です。 要するにヒプノセラピーとは催眠療法のことです。

この hypnotherapy という言葉は、hypno と therapy の二つの部分に分けることができます。 therapy とはセラピーのことです。心理療法(psychotherapy サイコセラピー)とか言う場合の療法にあたります。

hypno は hypnosis から取ったのでしょう。 hypnosis は催眠のことです。 hypnosis はギリシャ語の hypnos という言葉に由来しますが、この意味は「眠り」です。 これは少々、誤解を受けやすい言葉でした。 というのも催眠は眠ることではないからです。 しかしながら、この言葉の普及は早く、正す機会はなかったと見えます。

それはともかく、ヒプノセラピーという外来語は本来的に催眠療法の意味です。

また、世間では単に、「ヒプノ」という言葉も良く見かけます。 これは一見では hypnosis 催眠 のことを表しているかのようにも見えます。ですので、単に催眠のことを指しているのかもしれませんが、おそらくこの言葉を使っている方々は(よく分からないで)、ヒプノセラピーの意味で使っている、つまり、ヒプノセラピーの短縮形、省略形のつもりで使っている言葉、と受け取ったほうが適切のように思います。

こうしてみると、ヒプノセラピーもヒプノも、催眠療法の事を指していることになります。

ですが、日本では実際上はしばしば少しだけ違う意味合いを帯びて受け止めている人達もいるようです。

退行催眠、退行催眠療法

催眠療法(ヒプノセラピー)の中には、記憶をさかのぼり、主に幼児期まで退行させる技法があります。 こうした催眠のことを退行催眠といいます。 そして、この技法を用いてセラピーを行う手法を退行催眠療法といいます。

さらに前世にまで退行を拡張させたものが前世退行で、それを療法に用いたものが前世療法と言われています。

世の中にはどうも、ヒプノセラピーの意味をこちらの意味に捉えている方々が何かと多くいるように見受けられます。 ですが、これらは実のところ、催眠療法の中の一分野でしかないのです。

ところで、前世療法が今では催眠療法の主要分野だと、もしかするとあなたは思われているかもしれませんね。
この前世療法という言葉は日本では、米国の精神科医、ブライアン・ワイス博士の事実に基づく小説「前世療法」がヒットしたのがきっかけで流行り出した言葉だと思われます。

ところで、催眠療法自体は米国医師会が有効な療法と既に何十年も前に承認してます。 ですので日本とは違って、ワイス博士は学会で発表できる機会なら本来は当初からいくらでもあったように一見思われます。

ですが、ワイス博士はそれを行わなかった。何故でしょう??
あなたはこれに疑問を持ったことはありませんか??
ここに前世療法というものが精神医療系の学会からどのように思われているかを読み解くひとつのカギがあるように思えます。

ワイス博士は前世療法を学会で発表したわけではなくて、小説として一般大衆に向けて発表したのです。 これまで幾度となく学会で発表を重ねてきていて自分の土俵である場所をわざわざ避けるかのようにして。

まるで学会を無視するかのごとくして、敢えて未経験の小説という形をとって、
精神医療の分からない一般大衆に向けて発表しているのです。

普通に考えれば、何も未経験の分野(小説)なんかじゃなくて、自分の慣れた土俵(精神医学系の学会)で発表した方が、発表内容そのものがオーソライズされますし、同時に一般の人(小説を読むような読者)にも説得力を持たせて(後に)伝えることができるはずでしょう。 でも、(くどいようですが)、それをしなかったのです。

何故でしょう?? これは私の(必然的な)推測になりますが、学会で発表するとまずいことが起きるのが目に見えていたからでしょう。 学会で発表して、もし受け入れてもらえるなら、その道を選んだかもしれませんが、おそらく、その可能性はないとふんだので、発表する場所を変えたのでしょう、一般向けの小説という分野へ、と。

つまり、発表してみるまでもなく、拒絶されて、少なくても学会で笑いものになることが目に見えていたから、学会の論文誌などに投稿するようなことは、とてもじゃないけどできなかったわけでしょう。 それは考えてみるまでもなく容易に推測できたはずです。 なにしろ、過去世の記憶を思い出すということは、過去世が存在することが前提となるわけですが、そもそも過去世が存在することなんかは、実証されてはいないからです。

前提が根拠に乏しければ、仮にいくら本当のことを論じていたとしても、評価を受けることはありません。 もっとも一般の精神医学がそれじゃあどれだけの根拠があるのかという話もあるとは思いますが、そんなところで泥仕合をやっているようでは、どっちにしても評価を受けないことは、誰が見ても明らかでしょう。

なので、発表の場は、そうした制約のないところ、一般向けの小説という発表手段、を選ばざるを得なかったわけでしょう。

こうした状況から考え得ることは、米国でも前世療法というものは精神医療分野の学界で決して認知されてるものではないという事でしかありません。 ブライアン・ワイス博士はオカルトをやってると汚名を着せられることを避ける必要さえあったということです。決してオカルトとかトンデモ療法をやってるわけでは決してないにもかかわらずにです。 米国医師会で療法として承認されている催眠療法(ヒプノセラピー)の分野の中でも、その本場、米国でも前世療法は主要分野ではないばかりか、怪しげな分野、というのが一般の認識だということです。

こうした点は、高名なミルトン・エリクソンの催眠療法とは随分と異なった趣をかもし出している、といえるかもしれません。

つまり、日本だけではなく、催眠療法の本場、米国でも、前世療法というものは催眠療法の中では異端的なもので、決して主流なんかではないということです。もし、あなたがアメリカでは前世療法は市民権を得ているとか、広く一般に知れ渡っていて既に認知されている療法だなんて思われているとしたら、それはこれまでにあげた事実からして、とても考え難い、ということです。

そうは言っても、ブライアン・ワイス博士の前世療法は現代の社会現象としては優れた療法として認知されるべき療法と言えるかもしれません。 前世療法(に類する)療法はたとえブライアン・ワイス博士以前にも人知れず行っていた人達はいるにしても、前世療法が近年これほどまでにその名を知られるようになったのは、最初に行った人ではなくて、ブライアン・ワイス博士の小説によるところだと思われるからです。

それに、いくらブライアン・ワイス博士に代表される前世療法が催眠療法の中でも異端で、主流ではないとは言っても、それは決して、意味のない療法とか、間違った退行催眠とかいうものではありません。 それは、決して主流というわけではない、と言う意味です。 主流と言うわけではないものの、優れた療法ということです。 だからこそ、論文という王道の発表方法はあきらめたにしても、小説という発表方法を選んででも広く世の中に発表しなければならないというミッションか何かを感じたのでしょう。 私の想像ですが、それはもしかすると、ワイス博士が前世療法のセッションを行ってる際に感じたものかもしれません。

では、ブライアン・ワイス博士の前世療法とははたしていったい、具体的にはどのようななものだったのでしょうか? それはこのページの少し後で、ワイス博士の小説をひもときながら見てみることにいたしましょう。

さらなる拡張(?)

さらに、ヒプノセラピーという言葉には何やら、ハイア―セルフ(高次の自己)とか高い次元の精霊等からメッセージやアドバイスを受ける神秘的な施術であるとか、はてまた、霊界とコンタクトを取ったり、幽霊と交渉するなどと言った意味合いも持たせてるようにさえ見受けられる節があります。

確かに催眠状態では、常識では考えられないような不思議な事柄に遭遇したり、それまで〈顕在)意識に浮かんだこともないような体験をしばしばしたりするものですが、ヒプノセラピー(催眠療法)は決して幽霊を取り扱った療法ではありません。 誤解されないでください。

だからとって催眠療法(ヒプノセラピー)中に、もし、幽霊にしか見えない何かが受け手の意識に出現した場合、それは催眠療法(ヒプノセラピー)とは言えないとか、何か別物になってしまっている、という意味でもありません。 こうしたことはもちろん例外的な場合ではありますが、催眠中には思いもよらない意識が現れる場合もあるものです。 これと幽霊を扱うのと混同してはいけません。

次のページでは、ワイス博士の前世療法を見てみることにしましょう。