イカサマ退行催眠例

退行催眠と称した変てこなものはたくさんこれまでクライアントさんを通して耳にしてきてますが、その中でもある種最悪のニセ退行催眠と言えるものをご紹介しましょう。

催眠状態と称する状態に誘導後、

療法士 : さあ今、あなたの目の前に大きな扉があります。
これから、その扉を開けて外に出てみましょう。 あなたは子供で、今、目の前に、おかあさんがいますね?
クライアント : ・・・・・・ あーーー、はい、お母さんかもしれません・・・
療法士 : お母さんはあなたに何か言ってますね?
クライアント : ・・・はい・・・
療法士 : とても厳しい口調であなたを叱ってますね?
クライアント : ・・・・・・・・??
療法士 : あなたは何かしたんですか?
クライアント : ・・・???・・・
療法士 : おかあさん、まるで鬼のようですね。 あなたは何、悪いことしたんですか?
クライアント : ・・・・・・・・??
療法士 : バシン! おかあさん、今叩きましたよ。
叩かれたのは、ほっぺたですか? お尻ですか?
クライアント : ・・・・・・ ???????? いえ ・・・
療法士 : 痛くて痛くて声も出ませんか?
クライアント : ・・・ いえ、なんの事か?? うぐっ、ハァ、ハァ、 ・・・
療法士 : ああ、口の中に何か突っ込まれているんですね・・・
クライアント : ・・・・・・ 苦しいです ・・・・・・
療法士 : そりゃあそうでしょう。
クライアント : ・・・・・・ お腹がイライラして、今吐きたいです ・・・
療法士 : お母さんの仕打ち、余程辛かったんですね。 でも、もう心配は要りません。 私がしっかり今、あなたの傍らにいて、あなたをお守りしています。 もうお母さんを恐れる必要はありません。
クライアント : ・・・ はぁ、はぁ、 ・・・ 今少しお腹、楽になりました。 ・・・
療法士 : 今、どんな気持ちですか?
クライアント : ・・・とても悲しいです・・・
療法士 : 悲しいだけですか? 他にも何かありませんか?
クライアント : ・・・・・・・・??・・・
療法士 : おかあさんを憎んでいるとか、殺したいほど恨んでいるとか、他にも出てきませんでしたか?
クライアント : ・・・???・・・
療法士 : おかあさんは、あなたが邪魔で邪魔でいつもいらいらしていたんですよ。
まだまだ心が開けていないようですから、今ここで、これまでのおかあさんへの不満、遠慮しないでぶつけましょう。 さあ、思いっきり声をあげて!
クライアント : ・・・ はぁ、はぁ、何でおにいちゃんは外で遊んで良くて、私は家の中にいないとダメなのよ?? 私だって外で遊びたい ・・・
療法士 : さあ、さあ、もっともっと吐きだして・・・
クライアント : ・・・私だってサッカーしたい・・・
療法士 : おかあさん、何て言ってますか?
クライアント : ・・・・・・このまえ、転んで足擦りむいたでしょって・・・
療法士 : おにいちゃんは足擦りむくことはないんですか?
クライアント : ・・・ いつも擦りむいてます。 私だって、足擦りむくことぐらい、別に平気なのよ、おかあさん! なのに何で私だけサッカーさせてくれないのよ! ねえ、なんでままごとは良くてサッカーはしちゃいけないの?
療法士 : おかあさん、何でも禁止していたんですね。 おにいちゃんと比べて、そんな差別うけてて、お母さんは性格悪い人だったんですね。
クライアント : ・・・体が倍もあるような大きな男の子たちとぶつかったら、かすり傷どころじゃなくて、怪我するかもしれないって、お母さんが言ってる・・・
療法士 : まあ、何とでも理屈つけてきますよ、性格悪い人は。
クライアント : ・・・はぁ、はぁ、お母さん、CD買ってきてくれたわ・・・
療法士 : CDでごまかそうとしているんですね。 誰のCDですか?
クライアント : ・・・うわぁ、ブルックナーです。・・・
療法士 : ブルックナー?? 誰ですか、その人? どんなミュージシャンですか? 最近出てきた人ですか?
クライアント : ・・・昔からいるの・・・
療法士 : どんな歌詞の歌ですか?
クライアント : ・・・・・・
療法士 : 歌詞もわからないで聞いてるんですか? じゃ、それ一緒に歌ってみてください。 さあ、歌詞カード読んで!
クライアント : ・・・
療法士 : あなたが性格悪いのは、どうやらお母さんの影響ですね。
クライアント : ・・・歌詞ないの・・・
療法士 : じゃ、メロディー歌ってみて?
クライアント : ・・・ドーレーミーーー、ドレミーーー、レレミーーー・・・
療法士 : 学校で習った歌なの?
クライアント : ・・・学校じゃやらないの。
療法士 : どこでそんな歌覚えたの?
クライアント : ・・・ラジオ・・・
療法士 : お母さん、そんな幼稚な歌聞かせて、サッカーやらせなくさせていたんですね。 あなたのお母さん、根性腐ってますね。
クライアント : ・・・幼稚じゃありません。 この間、お父さんが聴いていたの、隣りで聴いていたんだもん。 お父さん、私に、こんなの聴いて解るか? 楽しいか? って言ってた・・・ 私は、この前のブラームスも良かったけど、こっちの方がもっと良いって言ったら、お父さん、お前、音楽やるか? でも、楽器、習わせてやれなかったからな・・・ これからでも、バイオリンでもやってみるか? だって・・・
療法士 : お父さん、音楽何も知らないんですね。
クライアント : ・・・お父さん、毎年、音楽聴きに海外まで行きくの ・・・
療法士 : お父さん、音楽のお仕事されてるんですか?
クライアント : ・・・してないの・・・
療法士 : お父さん、何してる人?
クライアント : ・・・知らない・・・
療法士 : お父さん、ドレミしか歌えないの?
クライアント : ・・・お父さん、歌もやらないの・・・ 聴くだけだって・・・
療法士 : カラオケなんかにも行かないの? おとうさん。
クライアント : ・・・いかないって・・・
療法士 : お父さん、海外って、どこに聴きに行くの?
クライアント : ・・・うーーん、バイロイトとかミュンヒェンとか・・・、あと・・・、・・・・・・、何だったっけ??? ・・・忘れた・・・
療法士 : ベイルートなんて、ずいぶん危険なところ行くんだね。ちゃんと生きて帰ってこれたの?
クライアント : ・・・ 去年、家族みんなで行ってたの。・・・
療法士 : 危なくなかったの??
クライアント : ・・・んーーん、ぜんせん・・・
療法士 : さあ、その地でお母さんはどんな悪さしてますか?
クライアント : ・・・ 1枚のキップをお父さんと交互に使って劇場に入っていくの ・・・
療法士 : あなたはその間どうしてるの?
クライアント : ・・・ 私は劇場、入れないんだって、聞けるのは外で鳴るラッパだけなの ・・・
療法士 : お母さん、あなただけには中の事、見せたくないんだね。
クライアント : ・・・ 子どもは入れないんだって。 私は毎日、外でお父さんかお母さんと一緒で、お話し聞いてるの ・・・
療法士 : お母さん、意地悪いね。 道端で話していて危なくないの?
クライアント : ・・・ 隣の公園のベンチに座ってるの ・・・
療法士 : さあ、お母さんから今、どんな悪いこと習ったかな?
クライアント : ・・・ しらないもん ・・・
療法士 : さあ、お母さんに聞いてみなさい。自分も中入りたいって。 お母さん、何て答えたかい?
クライアント : ・・・ もっと大きくなってから、だって ・・・
療法士 : お母さん、子供も入れるところ、連れて行ってくれなかったんだね。 自分さえよければ、あなたなんか、いくら寂しくしていても良いって思っていたんだね。 さあ、お母さんに文句言って!
クライアント : ・・・ おかあさん、私も観たい ・・・
療法士 : さあ、お母さん、今どんな顔してる? よく見てみて。
クライアント : ・・・ ちょっと微笑んでる ・・・
療法士 : もっとよく見てごらん。 お前なんかにゃ、見せてやるもんか、ってあざ笑った顔が言ってるのがわかるかな?
クライアント : ・・・ そんなことないもん ・・・
療法士 : いや、おかあさん、本当はお父さんをあなたに取られて、どぶねずみのように恨んでるんだよ。
クライアント : ・・・ そんなことないもん ・・・
療法士 : あなたがお父さんのそばでラジオで音楽聞いていた時のお母さんのあなたへの嫉妬、まだ分からないかな? その時、お母さんはどう思っていたか、まだ気が付かないかな?
クライアント : ・・・ そう言われたって ・・・
療法士 : さあ、なぜお母さんは、あなたには劇場に入らせないんだろう?
クライアント : ・・・ だって ・・・
療法士 : だっても糞もないよ。
クライアント : ・・・ キップ1枚しかないんだもん。 ・・・
療法士 : なぜ始めから3人分買わなかったのかな? あるいはなぜ買い足さなかったのかな?
クライアント : ・・・ しらないもん ・・・
療法士 : さあ、あなたは家族3人みんなで仲良く劇場入りたくないのかな?
クライアント : ・・・ 入りたい ・・・
療法士 : 今、それができなくて悲しいね?
クライアント : ・・・ うん ・・・
療法士 : 周りを見てみな。 ほかに劇場に入れない人どれだけいるかい?
クライアント : ・・・ あんまりいない ・・・
療法士 : キップ買えるからだね。 そうだね!
クライアント : ・・・ しらない ・・・
療法士 : お母さんの顔見て! まさに鬼だね!
クライアント : ・・・ ん? ・・・
療法士 : ほら、良く見て、その恐怖の表情。
クライアント : ・・・ ん? ・・・
療法士 : 「ん」じゃないよ。「んん」?
クライアント : ・・・・・・
療法士 : ほら、良ーく見て、その鬼の表情。
クライアント : ・・・、・・・ 今、歌、歌ってくれてるの ・・・
療法士 : またドレミの歌かいね??
クライアント : ・・・ ホヨトホー、ホヨトホー、ホヨホー ・・・